AGAのオンライン診療は初診からできる?
AGA(男性型脱毛症)
- 2021/10/07
- 2022/05/20
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新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、事実上解禁状態になっているオンライン診療。初診からの可能となっているようです。AGA(男性型脱毛症)治療も同様にオンライン診療を行う病院が増えてきました。AGAのオンライン診療とはどんなものなのでしょうか?オンライン診療のこれまでを振り返ってみます。
この記事の目次
AGA治療のオンライン診療とは?
オンライン診療とは、別名「遠隔診療」とも呼ばれます。もともとは通院が難しいような地方に住む患者さんや、身体的な問題で通院できない患者さんのための医療としてはじまった遠隔診療。テレビ電話が当たり前となった現代において、オンラインを利用するのは自然の流れですよね。
AGAは基本投薬治療。医師の診察を受けて薬を郵送してもらうだけであれば、オンラインの方が患者にとっても都合がよかったりしますから、徐々にオンラインや電話などで診察して薬を郵送するという病院が出てきました。
しかしながらAGA治療薬は副作用があります。診察だけでなく、血液検査、もしくは直近の血液検査の結果を医師に確認してもらってから薬を処方する必要がありました。ルールとしても初診からのオンライン診療はダメでしたから、既存の患者さんから希望があれば行うというレベルでした。
コロナが出てくるまでは。
日本で新型コロナウィルスが猛威をふるいはじめた2020年春。4月13日から新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、次元的かつ特例措置として、初診でのオンライン診療が事実上解禁となりました。
オンライン診療はいつからはじまった?
AGAのオンライン診療に限らず、一般的にもオンライン診療を行う病院が増えてきたのは、2015年8月に厚生労働省が都道府県に対して発出した「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)に対する事務連絡」が発端です。
その内容は、「診療は医師と患者の直接対面が基本だけど留意事項があります。」というもの。留意事項を一部抜粋してご紹介します。
2留意事項
(1)初診及び急性期の疾患に対しては、原則として直接の対面診療によること。
(2)直接の対面診療を行うことができる場合や他の医療機関と連携することにより直接の対面診療を行うことができる場合には、これによること。
(3)(1)及び(2)にかかわらず、次に掲げる場合において、患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこと。
ア 直接の対面診療を行うことが困難である場合(例えば、離島、へき地の患者の場合など往診又は来診に相当な時間を要したり、危険を伴うなどの困難があり、遠隔診療によらなければ当面必要な診療を行うことが困難な者に対して行う場合)
イ 直近まで相当期間にわたって診療を継続してきた慢性疾患の患者など病状が安定している患者に対し、患者の病状急変時等の連絡・対応体制を確保した上で実施することによって患者の療養環境の向上が認められる遠隔診療(例えば別表に掲げるもの)を実施する場合
「初診から遠隔診療はダメです。直接対面診療できる場合は直接診察しようね。でも、離島や僻地に住んでいて対面診療が難しかったり、長期間治療をしてきて症状が安定している場合などは初診からでもいいですよ。」
といった内容なんですけど、この留意事項の解釈について言及したのが2015年の「事務連絡」。こちらも一部抜粋してご紹介します。
3.平成9年遠隔診療通知の「1 基本的考え方」において、診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本であるとされているが、平成9年遠隔診療通知の「2 留意事項(3)ア」又は「2 留意事項(3)イ」に示しているとおり、「2 留意事項(1)及び(2)」にかかわらず、患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこととされており、直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではないこと。(引用元:事務連絡)
「患者の要請と患者にとっての利点があって、対面診療も組み合わせられるのであれば、直接会ってからじゃなくても遠隔診療してもオッケー。」
と解釈できる内容だったわけです。これを受けて事実上遠隔診療解禁的な流れになっていき、遠隔診療をはじめる業者やクリニックが増えました。
しかしながら、2016年3月に東京都が厚生労働省に対して出した照会に対して、
「対面診療を行わずに遠隔診療だけで完結させる事業は医師法違反ですよ。」
と回答しました。
東京都
「対面診療を行わず、遠隔診療だけで診療を完結させることを想定した事業を提供しているところもある。~中略~このような場合は、当該事業を行う者は、無診察治療を禁止にした医師法(昭和23年法律第201号)第20条に違反するものと解してよろしいか?厚生労働省
「貴見のとおり」(引用:医政医発0318第6号)
これでまた振り出しに戻るんですけど、解釈の仕方によっては抜け道がある感じなので、遠隔診療をやっちゃう病院なんかもポツポツ出てきます。
2017年。厚生労働省が初診オンライン診療をようやく明文化
グレーゾーンのままだった初診の遠隔診療ですが、厚生労働省が2017年7月14日付で各都道府県に発出した「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」について)」と題する通知(医政発0714第4号)で、ついに初診での遠隔診療も可能で、遠隔診療だけで治療が完結してもOKという見解を示しました。
4.平成9年遠隔診療通知の「1 基本的考え方」において、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではないと示しているとおり、当事者が医師及び患者本人であることが確認できる限り、テレビ電話や、電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス等の情報通信機器を組み合わせた遠隔診療についても、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、直ちに医師法第20条等に抵触するものではないこと。(引用元:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20170906/170906iryou07.pdf)
遠隔診療だけで完結する治療は医師法の第20条に抵触するとされていたのが、患者の要請があり、医師の判断で問題がない場合はオッケーですという内容です。
これで一気にオンライン診療解禁の流れが加速しました。
2018年3月にオンライン診療の適切な実施に関する指針が策定
初診のオンライン診療については、病院ごとに解釈が違っていたりして、対応がバラバラだったところ、ようやくオンライン診療のガイドラインが策定されました。
そこでははっきりと「初診は原則として直接の対面診療」とルール化されました。
ガイドラインで決められたルールのポイントをご紹介します。
- 初診は原則直接対面診療。
- 治験や臨床試験などで安全性が確立されていない医療は提供すべきではない。
- 初診からオンライン診療できるようなことをウェブなどでうたっちゃダメ。
- これで決まりではなく今後の普及状況、技術革新などを見ながら定期的に内容を見直す。
(引用元:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000201789.pdf)
そしていよいよ初診からオンライン診療解禁へ
2020年4月10日。新型コロナウィルス感染拡大防止のための時限的・特例的な措置として、ガイドラインでも認められていなかった「初診からのオンライン診療」がスタートしました。
対象疾患問わず全面解禁なので、AGA治療も初診からのオンライン診療が可能になりました。
初診からAGA治療をオンラインで受けても平気?危険性はないの?
医療法とか法律上の問題はクリアになった初診からのオンライン診療ですけど、身体的な危険性はないのでしょうか?AGA治療薬を処方される前に必ず血液検査を行い服用しても問題がないか数値をチェックします。常備薬との飲み合わせやアレルギーに関してはオンラインでの問診で問題なさそうですけど、対面であれば血液検査で判断していた部分は大丈夫なのでしょうか?
コロナでのオンライン診療解禁を報告した先述の「事務連絡」にも、以下のような記載があります。
診療の際、できる限り、過去の診療録、診療情報提供書、地域医療情報連携ネットワーク(※)又は健康診断の結果等(以下「診療録等)という。)により当該患者の基礎疾患の情報を把握・確認した上で、診断や処方を行うこと。診療録等により当該患者の基礎疾患の情報を把握できない場合は、処方日数は7日間を上限とするとともに、麻薬及び向精神薬に加え、特に安全管理が必要な医薬品(いわゆる「ハイリスク薬」)として、診療報酬における薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤)の処方をしてはならないこと。(引用元:公式サイト)
患者の状態が把握できない場合は7日間を上限とする処方にして、管理が安全な医薬品にするという記載があります。AGA治療薬が安全な医薬品に当てはまるのかはわかりませんけど、多くのクリニックで処方されているミノキシジル内服薬は国内未承認薬ですから、国が安全と考えるようには思えませんよね。
直近で会社の健康診断などで血液検査を行った人には、その結果を見せてもらうことで判断している他、湘南美容クリニックなどでは、採血キットを前もって送付する形で初診からのオンラインを可能にしているようです。
これに関しては、オンライン診療関係なしに、対面診療であっても、血液検査なしで問診だけで判断しても処方するクリニックもありますからそのクリニックの問題ということになりますね。
オンライン診療でも対面診療でも、AGA治療成功のカギは良い病院とめぐり合うこと
オンライン診療は薄毛治療であるAGA治療との親和性は非常に高いと思っています。薄毛を恥ずかしいと思っていたり、AGA治療を受けていることを人に知られたくないと思っている人が多いからです。
そういう人達は大っぴらにAGAの病院に入って行きたくないだろうし、患者さん同士が会うのもイヤって人もいます。もしそういうシャイな気持ちが邪魔してAGA治療を受けていない人がいたとしたら、オンライン診療でもかまわないので早めに治療に取り掛かって欲しいと思います。早め早めの治療がAGA治療成功のカギです。
もう一つ、昔よりは増えてきましたけど、まだまだ地方にはAGA専門病院は少ないです。治療内容や症例数、料金など総合的に判断しても、やはり専門病院や専門外来の方がメリットが大きいと言えるでしょう。フィナステリドだけ飲むような維持のための治療であれば一般病院でも問題ないと思いますが、より高い改善効果を求めるのであれば、選択肢が豊富な専門病院を選んだ方が安心かもしれません。
オンライン診療であれば症例数豊富な専門病院の治療を地方に住みながら受けることができます。安全面がしっかり確保できるのであれば、オンライン診療によって医療格差のない時代がやってくると言えるでしょう。
結局はそこは医師や病院のモラルが重要になってきます。患者のことをしっかり考えた医療ができる病院、医師がいればオンライン診療は多くの人に多大なるメリットをもたらすことでしょう。
そういう医師、病院とめぐり合うことは、長期間治療しなければいけないAGA治療において、モチベーションを保ち、満足できる治療につながってくるはずです。